はじまり―序―


 「うん?どうかしたのかナルト?」
 つい先程まで…すぐ隣で床に座って巻物を広げ、楽しそうにそれを読んでいた筈の幼子がふと気が付くと火影の正面に移動し不思議そうな表情(かお)で火影の前に立っていた…
 執務に集中していた火影はナルトが立った時にすぐに気が付かなかったが、そんな事はナルトの実力を考えると別に出来てもおかしくないので差程気にとめる事では無かった。
 …ちなみにこの時ナルトの年齢は4才になったばかりである…
 …およそ普通の4歳児のとれる行動ではない…
 …しかし火影はそれを気にしない…他の者ならパニックをおこしかねない事態だが…何というか…火影もナルトも普通では無かった…
 …故に二人は平然と会話を続ける…普通に…
 「ねぇじいちゃん?どうしてボクがお仕事したらダメなの?」
 ナルトは可愛らしく笑んで言った… 
 「…ナルト…前にも言うたが…おぬしはまだ子供じゃろうが…」
 嘆息を吐き呆れた様子で火影は云った…
 …ナルトは背伸びをして家の手伝いをしようという子供の様な態度で言ってはいるが…この子供が望んでいるのは暗部クラスの任務であるという事を火影は知っている…
 …ハッキリ言って四つの子供にさせるような事では無い…
 「…でもじいちゃんボクはしのびだよ?しのびには子供も大人も関係ないでしょ?」
 火影の言葉に不思議そうにナルトはそう返す…
 「…しかしの…そうは言うても…」
 「じいちゃん?別にいきなりSSランクの暗殺任務をやるなんて言ってないよ?Aランクの諜報か護衛の任務なら修行には丁度いいかな?って思ったから言ってるんだよ?」
 困り顔の火影に最後まで言わせずナルトは一気に自分の考えを言ってそして付け足す…
 「実践に勝る修行は無いでしょ?」と…
 …そう言ってにこりと笑うと…
 「いま木の葉は大変なんでしょ?」
 …と邪気の無い笑みを浮かべ…
 …その顔には…
 (人手不足で大変なんでしょ?)
 …そう気遣う様な様子すら見受けられ…
 「じいちゃんが体壊したらボクヤダからね!」
 最後のその言葉に…遂に火影様降参…

 …しぶしぶながらにそれでも条件付きで…ナルトにAランクの護衛任務を渡す火影様の姿がありましたとさ…

     …めでたしめでたし…

                             ―続く―

 ―あとがき―
 えーと…いきなりですがRINはスレナルにハマリました…
 スレナルについてはまた別の所で説明しようと思いますが…
 …それはともあれ記念すべき初書きナルト駄文なのですが…
 …えー…あんまりスレてませんね…特に性格…むしろ可愛いような…
 …えー…もしこれを見てこんなのスレナルじゃない!とお怒りの方おられましたら済みません、もう暫くお待ち下さい。
 この話は私的スレナル設定の中のスレる前のナルトだからです…
 …やっぱり物心ついていきなりスレルというのもあんまりだろうと…
 …でもこの話…根底にある設定ではある意味それ以上に救われないモノがあります…
 …そしてちょっとだけその片鱗がこの本文中にも出ています…
 …詳しくは次回をお読み頂ければ解ると思います…
 …何気にこの話続きがありますので…

 ―設定については小出しにしていくつもりです。

 ―それではまたの機会に―RIN―